「成功体験を積めば自己肯定感が上がる」と思っていませんか?
実はそれ、子どものメンタルヘルスを危険にさらす可能性があるというのです。
今回は、スタンフォードオンラインハイスクール校長・星友啓さんが出演する「PIVOT」チャンネルの動画から、「子どもと一緒にできる正しい自己肯定感の育て方」をご紹介します。
✅ この記事はこんな方におすすめ
- 子どもに自信を持ってほしい
- 感情に振り回されずに過ごせる力を育てたい
- 親自身の心の健康にも興味がある
本記事の出典動画
YouTubeチャンネル「PIVOT」より
📺【自己肯定感の育て方】スタンフォード式 親子でできるメンタルトレーニング
出演:星友啓(スタンフォードオンラインハイスクール校長)
岩崎由夏(YOUTRUST代表・二児の母)
国山ハセン(PIVOTプロデューサー・一児の父)
自己肯定感について
自己肯定感を育てることが、なぜそんなに大事なの?
自己肯定感という言葉、よく聞くようになったけど、実際どんな影響があるの?と思う方も多いかもしれません。
スタンフォードオンラインハイスクール校長の星友啓さんによると、
自己肯定感は、子どもの心の健康にも、学力にも深く関わっているというのです。
🌱 自己肯定感が低いと…
- 小さな失敗でひどく落ち込む
- 他人の評価ばかりを気にしてしまう
- ネガティブな感情を抑え込もうとして、心の不調を招く
実際、世界的に「5人に1人の子どもがメンタルの問題を抱えている」とも言われており、
自己肯定感を育てることは、今や子育てにおける“基礎体力”とも言えるほど重要になってきています。
🧠 自己肯定感が高まると、脳の働きにもいい影響が!
子どもが自分を肯定できるようになると、心が安定し、感情のバランスが取れるようになります。
すると驚くことに、勉強などの認知能力まで伸びやすくなるという研究結果も出ているのです。
つまり、心が整うことで頭の働きもスムーズに。
これは、単なる“気分の問題”ではなく、脳科学的にも効果が証明されているアプローチなのです。
自己肯定感は“高ければいい”ものではない?
「自己肯定感」という言葉はとてもポジティブな印象を与えますが、間違った方法で高めると逆効果になることも。
❌ 危険な方法①:成功体験の強調
目標を達成させて褒めるだけでは、
👉 「できた=褒められる=価値がある」 という外発的動機づけになりがち。
こうなると、「学ぶ楽しさ」よりも「評価を得るための行動」になり、本来の学びへの意欲が下がってしまうリスクがあります。

❌ 危険な方法②:ネガティブ感情の否定
「今日はいい日だった!」「嫌なことは忘れよう!」と無理にポジティブに持っていくのもNG。
ネガティブな感情を押し込めると、
👉 うつや不安障害、ストレス性疾患のリスクが上がることもあるそうです。
✅ 求めるべき自己肯定感とは?
星さんが推奨するのは、「ありのままの自分をありがたく思える」自己肯定感。
これは心理学でいう**自己受容(Self-Acceptance)や自己価値感(Self-Worth)**に近い考えです。
自分の弱さや失敗も含めて「これが私」と思えることが、
心の健康にもつながります。

親子でできる!スタンフォード式・自己肯定感トレーニング
では実際に、家庭でできるトレーニングを3つご紹介します。

①「5つの親切」エクササイズ
※対象年齢:小学生〜中学生くらいから 週1回
- 子どもが自分から誰かに親切にする日を決める
- その日に5つの親切行動をして、夜に振り返る
例:友達にやさしい言葉をかけた、ごみを拾った、誰かを手伝った…など
✔️ こころの3大欲求が満たされる
- 有能感:「できた!」という実感
- 自発性:自分で決めたという感覚
- つながり:人とつながった感覚
この3つが満たされることで、内発的な動機が育ち、自然と自己肯定感も高まります。
🔸ポイント:子ども自身が“やること”を決めること
🔸注意:ご褒美は避ける(内発性を損なうため)
②「スリー・グッド・シングス(3つのいいこと)」
※対象年齢:3〜4歳頃からOK!
- 毎晩寝る前に「今日あった3つのいいこと」を親子で交互に言い合う(毎日)
例:
「公園で遊べた」
「ママとお風呂に入った」
「ブロックが高く積めた」
✔️ いいことを探す“心のクセ”が育つ
日常の小さな「うれしい」「楽しい」を振り返ることで、
ポジティブな視点を持つマインドセットが育ち、
「ありのままの自分にも価値がある」と感じやすくなります。
③「ディスタンシング(心との距離をとる)」
感情にのまれそうなとき、自分の心を外側から客観的に見る練習です。
✔️ やり方(週1回・5〜10分でOK)
- 寝る前などに「今日、イヤだったこと」を思い出させる
- 「何が起きた?」「どんな気持ちだった?」と丁寧に聞く
- 「横にいた〇〇くんはどう思ってたと思う?」と他者視点も促す
→他人の視点をとれるようになるトレーニング
👉 自分の感情を客観的に見られるようになると、ネガティブな感情にも飲み込まれにくくなります。
🔸応用:「その時の○○くん(自分)に、何て声をかけてあげたい?」と問いかけると、自分をケアする力も育ちます。
④スタンフォード式ストレス対処法「PERT法」
※対象年齢:2歳頃〜OK!
言葉がいらず、小さな子どもでもできる呼吸とイメージのトレーニングです。
✔️ PERT法の流れ
- ゆっくり深呼吸を2回(お腹の動きを感じる)
- 3回目の深呼吸では「大切な人」や「美しい自然」を思い浮かべる
- そのイメージを保ちながら、何度か呼吸を繰り返す(お腹の動きを感じる)
- リラックスしてきたら、今の悩みに何ができそうかを考えてみる
👉 “今”に意識を戻すことで、感情と向き合いやすくなり、自己調整力が育ちます。
おわりに:親子で「心を育てる」時間をはじめよう
これまで「自己肯定感は高ければいい」と思っていたけれど、
今回のお話を聞いて、「本当の自己肯定感」とは何かが少し見えてきた気がします。
「ネガティブな自分も受け入れる」ことこそが、
揺れにくく折れにくい、本質的な自己肯定感なのだと感じました。
だからこそ、自分の心と冷静に向き合い、受け入れる練習を少しずつ積み重ねていくことが大切なんだと思います。
星先生のすすめる「親子でできる心のトレーニング」は、
子どもの成長だけでなく、親である自分自身にもいい影響があるはず。
無理に全部を完璧にやろうとしなくても大丈夫。
できることから少しずつ、親子で一緒に取り組むことで、
きっとお互いの心がふわっと軽くなったり、前向きになれたりするはずです。
今日から、まずは「1日3つのいいこと」から始めてみようと思いました!
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